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【所長コラム】「0(ゼロ)グラム」へようこそ Act.21
2009年04月22日 14時59分
グーグルは、インターネット上の検索の会社だと思われている。ところが、その使命は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」だという。そういうわけで、目下、出版界の最注目テーマである「ブック検索」(Google Book Search)も、1996年に同社が設立されたころから議論されていたものだそうだ。
同社の創業者2人は、スタンフォード大の「デジタル図書館技術プロジェクト」(Stanford Digital Library Technologies Project)で働いていた。過去、「プロジェクト・グーテンベルグ」をはじめとして、書籍を電子化して公開することは、さまざまな形で試みられてきたのはご存じのとおり。しかし、その規模や影響力、そしてその他のあらゆる点において、「ブック検索」はこれまでのプロジェクトとは異なる性格のものになるのだろう。
「ブック検索」については、グーグルのサイト内に2007年までの経緯が書かれている。ここでは、ブック検索とその周辺状況や関する日付をピックアップして表にしてみた。
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| 書籍の電子化とネットでの公開を中心に、トピックを拾ったものです。プロジェクトの全体や和解内容については、別ソースでご覧ください。 |
「ブック検索」については個人的にも、そのインパクトを目の当たりにしたことがある。1年ほど前に『ジェネラルパーパス・テクノロジー』(アスキー新書)を書いていたときのこと。『Modernizing Legacy Systems』(Robert C. Seacord, Daniel Plakosh, Grace A. Lewis著、Addison-Wesley刊)という書籍があるのを知って、取り寄せなければと思っていたら、同書のほとんどがスキャンされている。必要な部分がブック検索で閲覧できてしまったのである。
オンライン書店で調べてみると、4000円以上で売っている高額書籍である。ふだんもグーグルのお世話になっているが、一般的な検索のほうは、グーグル以外の検索エンジンも相応の性能を持っている。ブログ検索もよく使うのだが、日本語の場合、Yahoo!のブログ検索のほうがうまい具合にヒットするように思う。しかし、ブック検索は、それらとはまったく別のものだということを理解した。これは、「検索」ではないのだ。
このサービスの影響力は、実のところ、これまでグーグルが実現してきた検索サービス以上のものになる可能性がある。そうした変革をやり続けるところに、グーグルのような企業の原動力があるともいえる。グーグルの創業者たちがそう考えたであろうとおり、「世界中の情報」のかなりの部分が、まだ書籍や紙の中にあるままだからだ。
連続トークセッション「コミュニケーションデザインの未来」の第2回として、4月23日(木)に『グーグルの権利覇権と情報流通革命』を開催する。出版関係者だけでなく、一段広い視点でこのテーマを捉えたい方に、ぜひおいでいただきたい。
アスキー総合研究所所長の遠藤 諭が、コンテンツ消費とデジタルについてお届けします。
本やディスクなど、中身とパッケージが不可分の時代と異なり、ネット時代にはコンテンツは物理的な重さを持たない「0(ゼロ)グラム」なのです。