アスキー総合研究所 > 所長コラム > iPhone累計出荷台数3,000万台突破
2009年08月05日 20時45分
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| Photo:Johan Larsson CC-BY |
「iPhone」が売れている。iPhoneの販売台数に関しては、きちんとしたアナウンスはされていないが、アップルの公式発表から掴むことができる。2009年6月のWWDCで、アップルはApp Storeで販売しているアプリケーションを利用可能な端末の累積販売台数が、4,000万台を超えたとしている。これには、iPhoneだけでなく「iPod touch」も含まれるわけだが、実のところ2,500万台以上がiPhoneなのだ。
アップルの四半期ごとの業績発表を小まめに見ていくと、足し算でその数値が明らかになってくる(何か勘違いがあればお知らせください)。同社の決算期は10月で、少々わかりにくい部分があるので、以下の表では、×~△月期と書き換えてある。
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これに、2009年7月の「iPhone 3GS」の数値を加えると、全世界の累計iPhone販売台数はザッと3,000万台ではないかと思える。iPodはホリデーシーズンに売れる製品らしいが、上記の数値を見てもわかるとおり、iPhoneは新機種が出たときのほうがインパクトが大きいからだ。
それでは、日本でのiPhoneの販売台数はどうなのか? JEITA(日本電子情報技術産業協会)の集計によると、2008年度(2008年4月~2009年3月)の携帯電話の累計出荷台数は3,585万台。総務省による携帯電話・PHSにおけるソフトバンクのシェアは、18%程度となっている。純増数もあるし、キャリアごとに端末の買い換え率も異なると思うので、いささか乱暴ではあるが次の計算を試みてみる。
全キャリア出荷台数(3,585万台)×シェア(18%)=645万台
これを12カ月で割ると、毎月のソフトバンクの端末販売台数はザッと54万台ということになる。これのうち何%がiPhoneかは不明だが、都内にはソフトバンク端末の半分がiPhoneだという販売店もあるという。54万台のうち、iPhoneが10万台や20万台という数字だったとでしても、ヘンではないだろう。
従来、日本ではiPhoneの販売が順調ではないと指摘されてきた。今年5月には、人口4500万人のフランスで、「iPhoneの累計販売台数100万台」と発表された。たしかに、先月パリに出張した際には、交差点で地図を調べているiPhoneユーザーというのを何度も見かけている。日本では、いまのところ「100万台」の声を聞かないが、時間の問題なのは間違いないだろう(もっとも、アスキー総研の調査では、25%のiPhone 3Gユーザーが3GSを購入するとしているので、ユーザー数的には疑問も残るが)。
世界中で毎年12億台も販売される携帯電話のうち、スマートフォンの占める割合は、10~15%といったところだろう。その中でのシェアは、世界ではノキアが強く、ビジネス層には「Blackberry」が支持されているなどというデータがある。しかし、いずれもスマートフォンの定義が問題なのであって、iPhoneを従来型のモデルと比べても、あまり意味がないのではないかと思える。
重要なのは、iPhoneのシェアが少なかろうが、あるいは多かろうが、新しいモバイルのスタイルが生まれたということなのだ。つまり、iPhoneというまったく新しいプラットフォームの上で、「利用者が何をしているか?」が、いま最も注目すべきことなのではないかと思う。つまり、iPhoneを買って使っている人たちはいるが、彼らはiPhoneのどこを気に入っていて、毎日どんなことにどれだけ使っているのかだ。
アスキー総研で、『「iPhone」利用実態調査』というレポートをまとめた。これは、2009年6月15~22日にかけて行ったアンケート調査で、736の有効回収サンプルをもとに集計・分析を行ったものだ。いささか宣伝っぽくなってしまうが、日本の携帯電話端末メーカーの関係者や、iPhoneアプリを開発するソフトハウスの方々には、ぜひ見ていただきたいデータになったと思う。
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恐ろしささえ感じるのは、iPhoneの強烈な満足度の高さが、世界シェアの70%を握るiPodのそれに近いと思えるからだ。2001年にiPodが出たときに「日本にはレンタルCDからMD化した資産がたくさんある」とか、「PCが必要なiPodは売れない」という議論があったのを思い返してほしい。ところが、その後わずか3年で、デジタル音楽プレーヤーはMDプレーヤーの販売台数をひっくり返してしまったのだ。
今回の調査レポートでは、そうした携帯電話というメディア・ツールの大きな曲がり角で、ユーザーがどんなアプリを使っているのか? また、具体的な利用シーンで、どんな点に満足しているのかなど、自由回答で答えてもらった内容も含まれている。iPhoneアプリの開発をしている人たちや、携帯の業界で仕事をする人たちに、これからのモバイルの世界を読み取ってもらえればさいわいである。
アスキー総合研究所所長の遠藤 諭が、コンテンツ消費とデジタルについてお届けします。
本やディスクなど、中身とパッケージが不可分の時代と異なり、ネット時代にはコンテンツは物理的な重さを持たない「0(ゼロ)グラム」なのです。