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【所長コラム】「0(ゼロ)グラム」へようこそ Act.42

Twitterはコミュニケーション革命なんかじゃない(3)

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2010年01月22日 15時12分

デリー上野店
東京・上野などに店舗を展開する、インド料理・カレーの専門店「デリー」の公式アカウント。カレーセットの販売情報などをつぶやいている。

 デジタルガレージが、Twitter社とパートナーシップを結ぶことになった背景には、ブログ検索の「テクノラティ」があったという。ブログ検索は便利だが、一方で「検索されるまでには、すでに古くなっている」(林氏)という課題があったからだ。たしかに、チャットやスカイプはリアルタイムだが、ネット全体は時間というものについて、目をつぶっている。

 ウェブは、本来、リアルタイム性のないメディアのようにも見える。グーグルは、世界中の何十億ものページをクローリングして、それに索引を付けることで価値を生じせしめている。そこで生じる商業的価値のことを「グーグルジュース」(google juice)と呼んだりする。しかし、それはどうも生ジュースと呼べるほど新鮮なものではないようだ。

 この静的な「インターネット観」に対して、本当は、ネットはリアルに動いているという意識が強くなってきている。グーグルだって、「Google Wave」は、リアルタイムについての彼らなりの答えの1つだろう。グーグルの強烈にパフォーマンスの高いクラスターアーキテクチャも、リアルタイムを指向するものだといえる。ネット自体は、自由に世界中で更新されているが、検索エンジンというアクセス手段がリアルタイムではないのだ。

 そんな中で、デジタルガレージは「Be part of our DYNAMIC ECOSYSTEM」(動的生態系の中にあれ)ということをうたっている。

 林氏によると、Twitterは「リアルタイムウェブへのゲートウェイ」になるという。リアルタイムウェブというのは、まさに動的生態系の中のウェブの側面だろう。Twitterがリアルタイムウェブの始まり、あるいは、リアルタイムウェブの端末(コンソール)のようなイメージだろうか(Twiiter自体をすでに「Real-time web」と呼んでいたりしているわけだが)。

 そんな話をしていたときに、林氏の口から出てきたのが、「正しい《原始インターネット》の時代」という言葉だったのだ。

 たとえば、Twitterによって「クリック・アンド・モルタル・パート2」みたいなことが起こる。クリック・アンド・モルタルというのは、ネット通販の初期に、クリック(ネット)とモルタル(店舗)の両方をやるべきだといわれた議論である。そんな話が、Twitterによって(たぶん偶然に)ふたたび見えてきた。

 わたしがイメージしたのは、カレー専門店「デリー」だ。有名なインドカレーの老舗がTwitterのIDを持っている(@DELHI_JP)。わたしもフォローしているのだが、「プレミアムカレーセット、残48セットです」などといったつぶやきが飛んでくる。知らないお店ならスパムだろうが、デリー好きにとっては、そりゃ買いにいかなきゃという気分になる。

時報・天気bot
わたしも自分用に、今日・明日の天気と時報をつぶやくだけのBOT(@hortense6677)を作ってみた。はずかしいレベルのBOTだが、APIに代わるマッシュアップの可能性を感じてしまう。

 これが、モルタル側の、文字通りリアルタイムで管理されている、在庫管理や顧客管理などのデータベースとリンクすれば、さらにいろいろなことが可能だろう。

 ウェブ2.0は、いわばネットバブルの補習問題のようなものだったのだ(事実、ネットバブルを乗り切ったものを整理してみたらこうなったと、ティム・オライリーは言っている)。それまでに積み重ねられたものに、どうしても我々の思考は制限されがちである。それに対してTwitterは、15年ほど前のように、ピュアに、しがらみなく、自由にネットを発想し直してみるべきだと教えてくれている。つまり、「正しい《原始インターネット》の時代」ということなのだろう。

 Twittterはコミュニケーション革命もさることながら、ネット革命そのものの、第2ラウンドの開始を告げるゴングのようなものなのではないか。

 デジタルガレージ林氏へのインタビューの詳細は、1月25日(月)20時~および2月1日(月)20時~の2回に分けて、TOKYO MX NEWS内の「東京ITニュース」コーナーにて放送されます。また、東京ITニュースは放送と同日に、YouTubeの「TOKYO MXチャンネル」でも公開されます。ぜひご覧ください。

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■このコラムについて

 アスキー総合研究所所長の遠藤 諭が、コンテンツ消費とデジタルについてお届けします。

 本やディスクなど、中身とパッケージが不可分の時代と異なり、ネット時代にはコンテンツは物理的な重さを持たない「0(ゼロ)グラム」なのです。

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